留年ファクトリー

日々のことを文字に起こすことにした。留年はしていない(が危うい)。

『行進子犬に恋文を』ー時代が私の好みに追いついてきた感

勉強から解放されて早4日。遊んでいるようで遊んでいない。

遊ぶって、何なのか。たしかに友達と出かけたり、推し事をしたり、ゲームも楽しい。しかし何故か心が満たされないと感じることが増えた。「遊んだ~!満足満足bro~!」となるにはどれだけ遊べばよいのか。勉強をしなくてはいけないときに遊んだって楽しくない割に、解放された途端どれだけ遊びたかったのかわからなくなる。結局遊びたいとは口で言っても遊びたくないのかもしれない。

そんなときは漫画が読みたくなる。漫画を読むというのはどういうことなんだろうか。心が楽しくなったり、安らいだりすることが‟遊ぶ”であれば、私にとって漫画を読むのは間違いなく至高の‟遊び”だ。特にお気に入りの一冊に出会ってしまうと、毎日が色めいて日々が楽しくなる。「続きが気になる!」というのも、いじらしいというより、楽しくて気持ちが良い。

漫画は百合ジャンルが好きで、大好きで、溜まらん。

ということで突然だが、最近読んだ百合漫画の話をしよう。

 

突然だが百合漫画の紹介を始める

 

私の百合漫画好きは、中学生時代に地元の書店にて『ゆるゆり』で有名ななもり先生が描いた表紙絵の『百合姫』を手に取ったのが始まりだった気がする。その本屋さんは何となく薄暗くて少し古い感じの店舗だったが、今は移転して大きい店舗になっている。思い出深い本屋さんだ。

百合姫』は高校くらいまで購読していたが、好きな漫画家さんの連載がなくなってしまったのと、最近だと百合ジャンル自体が一般化してきて、『百合姫』以外でも百合漫画を読めるようになったので、気になる一冊を単行本で買うようになった。

そんな感じで気が向いたときに百合漫画を探すのだが、今日Amazonで見つけた一冊が最高に私のツボだったので、ここで紹介する。

 

『行進子犬に恋文を』

ー玉崎たま著 百合姫コミックス/一迅社

 

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1巻あらすじ(Amazonから引用)

舞台は近代、女性将校を育成する学校 「陸軍女子幼年学校」。 田舎から出てきた少女・犬童忍は、 入学早々、高圧的な上級生・加賀美藤乃と出会う。 高飛車な普段の態度とは裏腹に、 時折犬童にだけ優しさを見せる加賀美。 犬童はそんな加賀美の姿に心惹かれていくが……。

 

 

女性軍人的な強い!美しい!に恋愛要素が混ざってはわわ~!みたいなのと、大正ロマンな時代背景がうーんたまんねえ!『艦これ』の百合とも違う、こういうの待ってたんスよ!!感。なごり悠さんの『女流作家とユキ』が大流行中(私調べ)だし、時代が私の好みに追いついてきてる感はある。ちな、大正ロマン百合好きな人は『ゆりかごの乙女たち』もおすすめ。複雑な時代背景の中で恋患う乙女たち~ク~ッ良いッ!女学校って~百合やんそんなん~~~!!女子校とは違うのだよ、女子校とは(cv池田秀一)。

 

(↓無料で読めるぴょん!‟女流”作家ってタイトルでもう大正ロマンに引き込まれる)

comic.pixiv.net

 

(↓クリックすると『ゆりかごの乙女たち』Amazonに飛ぶよ!甘酸っぱ(酸味強め)百合

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カップリングのスタイルで言えば、嵩乃朔さんの『吸血鬼ちゃん×後輩ちゃん』みたいな美人人気最強女先輩が、不器用でおっちょこちょいだけど実は超可愛い女後輩を囲う百合が好きな人はぴったりハマると思う。ありがちといえばそうだが、王道は王道なのだから、やはり良いのだ。また、『マリア様がみてる』で百合心を育んだ私はスール制度(お姉さまが妹を教育する制度)が大好きなので、年長序列が強いのも、良い。対等な関係の先輩後輩よりは、先輩強め(内情は…)に興奮する。最近だと、年下攻めが主流になってきているのは時代の流れやね。百合の一般化に伴う需要の変化だと勝手に考えている。祥子様が祐美ちゃんのタイを直していたのはもう過去のことらしい。私の中の一番のお姉さまはいつまでも祥子様だ。

百合ジャンルを深堀したいと思っている人は是非一度マリみてに触れてみてほしい。マリみては百合のすべてが詰まってる。イケメン弱気乙女ボイタチ先輩✖病弱強気三つ編み幼馴染後輩というのも中々よくわかってるなと思うし、共依存だからこそのドライな関係とか、本当に、凄い。百合作品が市場に多く出回る現在では、一世代前の作品は独特のクセがあったり、人によっては「百合という当時の希少価値で良いとされているけど正直面白くない」みたいな作品もあるかもしれない。しかし、マリみてだけは多少のクセは我慢して、アニメが苦手なら漫画で、漫画が苦手なら小説でトライしてみてほしい。本当に、素晴らしいから。語り切れない。てか原作の小説めっちゃ良いよ(マリみて大好き百合ババア)

 

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百合の原点にして頂点

 

そして『行進子犬に恋文を』は軍人という画一的な空間で否定される女々しさと、なぜか誰も抑えられない‟女”が良い。こんなにかっこいいのにフェムであり続けるのだ。大正百合らしさってそうなのかなぁ。女性が女性であることを要求される時代背景と女性軍人の矛盾が、少女漫画らしい良さを留めているのかもしれない。序盤で犬童ちゃんが貧しい衣服にボサボサの髪で登場するが、こういうのにもある一定の需要があると『絶望先生』が教えてくれた(なお30ページ弱でお風呂シーンに突入する)。

まだ1巻までしか発売されていないので、わからないことも多いが、そこそこの闇要素も旨味が出ている。可愛い絵柄でふわふわかと思いきやストーリーもちゃんと面白い漫画なので、大正!軍人!百合!に興味がある人は是非読んでみてほしい。絵も本当に可愛くて読みやすいよ!

一冊の漫画紹介に見せかけて、それをダシに色々百合作品の話をしただけになった。楽しかったのでそれもまた良しかな。

2巻も楽しみだな~!!